金沢の観光地・兼六園近くに5月1日、地酒とおつまみ、伝統工芸品の酒器などを取り扱う「けんろく酒楽」(兼六町、TEL 076-224-1738)がオープンした。
運営するのは市内の販売店「酒の井なみ屋」。ひがし茶屋街にある「ひがしやま酒楽」に続き2店舗目となる。2店舗とも物件のオーナーは金箔の製造・販売を行う「箔一」で、「観光地に位置する物件で地酒を販売する店を作りたい」という思いと、「酒の井なみ屋」の「全世界に石川の地酒をアピールし、広めたい」という思いが合致し、オープンにこぎ着けたという。
販売する「地酒」の定義を、日本酒からワイン、焼酎、ビール、梅酒など、県内で製造されるもの全てとし、県内の酒造会社25社と取引。店舗面積約90平方メートルの店内には常時200種類以上の酒や、県内で製造した魚介類や乾きものなど、おつまみ約50種類をそろえる。「箔一」や「能作」の酒器、北陸で活動する九谷焼、スズ、銅、ガラス作家の器も展示販売。6種類の同店オリジナル銘柄の日本酒のほか、販売元ならではの珍しい銘柄や、県内の酒販店でも見ることが少ない「幻の酒」も時期によっては並ぶという。
来店するのは観光客が主といい、そのうち2、3割が外国人。同社社長・井波成英さんは「外国の方は日本酒を白ワインと比較して飲まれる方が多い。普段飲んでいるものと、酸味やコク、うま味の違いを比べて新鮮な驚きに喜んでいただいている」と話す。
店内には立ち飲みスペースを設け、120種類の酒をシャンパングラス(1杯=30ミリリットル、500円~)で試飲可能。クラフトビール「百万石ペールエール」(500円)を提供方法としては珍しい生ビールで楽しめる。日本酒のコクをしっかり感じられるという「菊姫大吟醸20年古酒ソフトクリーム」(600円)や、糀(こうじ)甘酒の甘さがまろやかな「たまひめちゃん麹甘酒そふとくりーむ」(400円)も人気。
井波さんは「立ち飲みスペースにはコンセントやWi-fiも備え、観光客の方が一息つけるおもてなし空間を目指している。ガイドブックには載っていない地元の美味しいお店なども気軽に尋ねてもらえれば」と来店を呼び掛ける。
営業時間は10時~17時。