石川県立音楽堂(金沢市昭和町 TEL 076-232-8111)を中心に4月28日から、「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」が初開催される。
昨年で終了した「ラ・フォル・ジュルネ金沢」に代わる、金沢独自の新しいクラシック音楽祭。世界の第一線で活躍するアーティストから地元の実力派、ジュニアオーケストラなど若手演奏家まで総勢約2000人が出演し、有料、無料合わせて約170公演を行う。
今回はより広く気軽に楽しんでもらうために、誰もが知る「ベートーヴェン」をメインテーマに据え、目玉として、交響曲「第1番」から「第九」まで、「皇帝」などピアノ協奏曲5曲、ピアノソナタ32曲の「全曲演奏」を行う。東京交響楽団の音楽監督などを務めた指揮者のユベール・スダーンさん、チャイコフスキー国際コンクールで優勝したピアニストのバリー・ダグラスさんなど世界的アーティストが出演する。
5日に同音楽堂で行われる「第九」の演奏では、ベルリン・カンマーシンフォニー、オーケストラ・アンサンブル金沢などともに、北陸三県から募った参加者らで結成された合唱団も参加することになっており、本番に向けて練習を重ねているという。
地元の人が観客の7割を占めることから、これまで以上に「金沢らしさ」を追求するのも特徴。宝生流能楽師の渡邊荀之助さん、日本舞踊家の藤間信乃輔さんなど金沢の伝統芸能とのコラボ、ピアニストの田島睦子さん、鶴見彩さん、ソプラノ歌手の竹多倫子さんなど金沢出身者のステージも見どころの一つという。
同実行委員会事務局の担当者は「世界的アーティストたちが『本物』の演奏を聴かせてくれる。ゴールデンウィークのひととき、極上のクラシックを気軽に楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。
石川県立音楽堂、金沢市アートホールをメイン会場に、北陸三県各地で公演を行う。5月5日まで。スケジュールやチケットなどの詳細はホームページで確認できる。