相次ぐ上映中止や「言論・表現の自由」をめぐる議論で話題となっている映画「靖国　YASUKUNI」が5月17日より2週間、シネモンド（金沢市香林坊2　KOHRINBO109 4階、TEL 076-220-5007）で上映されることが決まった。全国では東京、大阪に続く上映となる。

　同作品は、中国人の李纓（り・いん）監督が、靖国神社をテーマに10年にわたる取材を続け、8月15日の同神社の様子やさまざまな立場の人の声やふるまい、老齢の刀匠の姿をとらえたドキュメンタリー映画。同神社の御神体として描かれる刀を象徴的に取り入れながら、同神社が抱える複雑な問題とアジアでの戦争の歴史について問いかける。日本芸術文化振興基金と韓国釜山国際映画祭アジアドキュメンタリーネットワーク基金の助成作品に選ばれ、日本、中国、韓国の3か国の協力により製作された日中合作映画。

　同作品の公開にあたっては、東京都内や大阪府内の複数の映画館が4月に予定していた上映を取りやめるなど全国で上映自粛が相次いだほか、文化庁の所管法人から助成金が出ていることが問題視され国会議員を対象にした特別試写会が開かれるなどの事態が生じたため、言論・表現の自由が問われ、物議を醸している。そうした中、5月3日には東京、10日には大阪で、それぞれ公開が始まった。

　同館では、話題になる以前から同作品の上映を決定しており、「作品の評価は映画をご覧になるお客様がすること」（同館代表・土肥悦子さん）と考えていたが、同館がファッションビル内にあるため他店や客への影響を考え、上映時期や上映告知について慎重に検討を重ねてきたという。

　上映スケジュールは17～23日＝14時40分～、16時55分～、24～30日＝13時45分～。

「靖国　YASUKUNI」公式サイトシネモンド