金沢・ひがし茶屋街のカフェ&ギャラリー「三味(しゃみ)」(金沢市東山1)で8月22日、語り手・荒木明日子さんによる「金沢昔語り」が開かれた。
昨年6月より、金沢に伝わる民話を方言で語り、金沢情緒を感じてもらおうと催されてきた同イベント。今回は伝統的な町家を活用したカフェで、「芋掘り藤五郎」「踊る骸骨」「天道金のくさり」「だら婿さん」「お銀小金」の全5作品を披露。参加者は民話を聞きながらゆったりとした時間を楽しんだ。
「近年、北陸地方では若年齢層の方言離れが激しい。この語り部の会をきっかけに、20~30代の人たちに方言に親しんでもらい、次の世代へ伝えていければ」と荒木さん。語りの合間には、金沢弁クイズや、金沢言葉を集めた小冊子の配布など、参加者に金沢弁について知ってもらう機会を取り入れる。参加した女性は「昔話を聞く機会は多かったが、方言で語られることによって、話の中により引き込まれて楽しめた」と話す。
荒木さんは「昔話は、あらゆる年齢層に向けて伝えられるもの。これまで金沢に伝わる昔ばなしを金沢弁で楽しんでもらおうと開催してきたが、今後はさまざまな地域の民話、季節などのテーマを決めて語りをしていけたら」と話す。