石川県立歴史博物館(金沢市出羽町、TEL 076-262-3236)が4月17日、リニューアルオープンした。
1986(昭和61)年の開館から「れきはく」と呼ばれ県民に親しまれてきた同館。かつて陸軍兵器庫として、戦後は美術工芸大学に使用されていた赤レンガ造りの3棟は1990年、国の重要文化財に指定されている。
同館ではレンガの外壁や設備の劣化と利用者のニーズの多様化に伴い、北陸新幹線開業を機に魅力ある展示やサービスの向上を目指し、約2年の休館期間を設け改装を進めてきた。「世代を問わず誰もが楽しみながら交流を育み、ゆったりとくつろげる博物館」を目標に、精巧なジオラマや迫力ある大型スクリーンを各所に導入するほか、フリーゾーン(無料空間)やサロンも新設。新たに決まった建物愛称は「いしかわ赤レンガミュージアム」。
第1棟の展示ゾーンは、従来の手法を生かしつつも映像とジオラマなどを組み合わせ、来館者がダイナミックに歴史と文化を体感できるよう変更。100分の1サイズで精巧に作られた兼六園のジオラマと空撮による映像、自由に出入りできる「昭和の茶の間」などが来館者の人気を集めている。特別展示室は1.5倍に拡張し、魅力ある展覧会の開催を目指す。
第2棟のフリーゾーンには、四季折々の草花をめでながら休憩できるガラス張りの開放的な「ほっとサロン」(35席)のほか、来館者が気軽に立ち寄り周辺情報や歴史体験をできるスペースを設ける。歴史衣装の着用や昔の教室を体験するコーナーもあり、幅広い世代の利用を見込む。
新幹線開業後のオープンとあり、5月13日までに2万6276人が(2012年同時期比、約1.9倍)が来館したという。オープンの記念特別展として現在、江戸と金沢の交流や城下町・金沢の歴史を紹介する「江戸と金沢」が開かれている。
開館時間は9時~17時(展示室への入室は16時30分まで)。観覧料は、一般=300円・大学生=240円・高校生以下=無料。特別展は5月31日まで。