兼六園に隣接する金澤神社(金沢市兼六町1)で5月24日、目隠しで茶の湯を体験する「闇闇(あんあん)茶会」が開催される。
今回で5回目となる同茶会は、「見えない世界を楽しむ」「空気を感じる」「感覚に集中する」をテーマに、目隠しで五感(聴覚・臭覚・味覚・触覚・心の目)を通して茶の湯を体験することが目的。2012年の初開催からこれまでに延べ350人以上が参加し、参加者からは「視覚がない分、手触り、香り、味、音をより深く感じられる」「普段の生活で感じることのできない体験」など好評だという。
主催する同事務局の坂井宗民さんは「茶の湯が盛んな金沢での開催にこそ意味があると考えている。最近は面と向かって話す機会が減少しており、人が持つ感性が退化しつつあるように感じる。茶会で不安感やワクワク感、ドキドキ感を実際に体験してもらい、人が本来持つ感性がどれだけ素晴らしいものか気付いてほしい」と開催への思いを話す。
当日は5席(各席20人、1,800円~)を設け、16人のスタッフが目隠しの参加者をサポート。目隠しで茶席に入室後、主催者のナビゲーションに従って目隠しのまま、お茶や菓子を味わい茶の湯を体験するという。
今回より「親子席」(親子2人、3,000円)を新設。「互いを気遣い、それぞれの存在のありがたさ、親子の強いつながりを感じてもらう」のが目的。前回より開催する「おしのぎ席」(3,000円)では、料理研究家の橋本登志子さんが振る舞う軽食を目隠しのまま味わうことで、「食事の意味を考え、五感で味わってほしい」との思いが込められている。
坂井さんは「茶道や茶の湯には、『敷居が高い』『堅苦しい』などのイメージがあると思うが、本来の『茶の湯』は人のコミュニケーションの場で、人を幸せにするもの。作法にとらわれず気軽に五感で楽しむ茶会を楽しんでほしい」と話す。「これまでの参加者はほぼ地元の人だったが、他県の人にも参加していただき、金沢の茶の湯文化を知ってもらうきっかけになれば」とも。
開催時間は10時~15時30分。参加には同事務局ホームページからの申し込みが必要。