金沢美術工芸大学(金沢市小立野5)は6月6日、DNPメディアクリエイト(東京都新宿区)と共同で金沢市のアートと生活工芸を紹介するデジタル雑誌アプリ「kanavi(カナビ)」の配信を始めた。
同社が、デジタルマガジンの地方活性化への活用を目的に地方都市を選定していたところ、北陸新幹線開業に伴い観光客の増加が見込まれるタイミングと、魅力的なコンテンツを持つ都市ということから金沢に白羽の矢が立ったという。通常の観光ガイドとは異なる切り口を求め同大に産学連携を提案し、2013年5月に共同研究を開始。約1年間の研究を経て今回のアプリ配信が実現した。
今回配信された第1弾では、NPO法人「金沢アートグミ」、NPO法人「金澤町家研究会」の協力により、美大生ならではの視点で、アートや町家といった、これまで観光ガイドで紹介されることが少なかった金沢の新しい魅力を紹介。学生自身が企画、取材、編集を行った。デジタルマガジンのデザイン表現についての共同研究を行い、紙の雑誌デザインとは全く異なる発想で、スマートフォンなどの画面サイズに最適化した、直感的で使いやすいデザインを追求したという。
「学生ならではの企画の切り口、ユーザー視点がとても参考になった。今後は、地元企業や観光協会と連携して、金沢発の新たなメディアとして育てていきたい」と同社第2企画本部の長原慎一さん。
同アプリは、App StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロード可能。7月より第2弾の制作を始め、秋には配信を予定。1年間で1万ダウンロードを目指す。