金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、企画展「中村好文 小屋においでよ!」が開かれている。
建築家として独立後32年間、住宅設計と家具のデザインに携わってきた中村好文さん。幼いころから魅了されてきた「小屋」をテーマに、「住宅とは何か?」を問い直す同展。小屋を「住宅の原型」と捉え、「人の暮らし」「人の住まい」について来場者にも問い掛ける内容となっている。
同館の空間を生かす会場は2カ所。オープンエアの「光庭」にはエネルギーの自給自足を目指す一人暮らし用の小屋「Hanem Hut」を原寸サイズで展示する。長期インスタレーションルームでは、中村さんが世界を巡り見て回った「古今東西7つの小屋」を紹介するコーナーや、自身の制作活動を記録した映像コーナー、曲面壁への写真展示のほか、同展のために制作した「蚊帳小屋」に手描きの図面などを展示する。
「子どものころから『自分の居場所』を作るのが好きだった。巣のようなもの。人が暮らせる最小限でエコな家を実現したのが『Hanem Hut』」と中村さん。杉の3層パネル構造で、素人でも組み立て・分解・運搬できるプレファブ建築。間口3メートル×奥行き4メートルの小屋には、キッチン・トイレ・シャワーのほか屋根裏の収納スペースも備え、作り付け家具・ソファベッド・テーブル・クッキングストーブなどは中村さんがデザインし特注製作したものが置かれる。
会期中の関連イベントとして、「小屋に捧げるリュートの夕べ」(5月31日)、「職人衆、Hanem Hutを語る」(6月14日)、「中村好文×皆川明対談『小屋から学ぶこと』」(8月2日)などを予定する。
開場時間は10時~18時(金・土曜日は20時まで)。休場日は、毎週月曜(5月5日・7月21日・8月11日は開場)・5月7日・7月22日。8月31日まで。「Hanem Hut」は期間中の土曜・日曜、予約制で内部に入ることができる。