金沢21世紀美術館近くに3月1日、金沢市立中村記念美術館(金沢市本多町3、TEL 076-221-0751)がリニューアル開館した。同館は昨年12月29日から工事のため閉館していた。
リニューアルに伴い、茶道具関連の美術品が多い同館のイメージに合わせて、館内のクロスを明るく華やかな色合いに全面張り替えし、木調で和を意識した飾り棚に統一した。1階には、昭和41(1966)年5月に開館した同館と付属施設の概要、年表、設立者で事業家・茶人の中村栄俊さんについてパネルで紹介した美術館紹介コーナーを新設。また、今まで図録販売のみだったグッズ販売コーナーに県内作家の器や同館オリジナル商品などを増やし、充実を図る。
展示室では美術品を360度から鑑賞できるフロアケースを4台から11台に増設。現在、リニューアル開館記念企画展として「パリで公開された館所蔵の茶道具」と「館蔵茶道美術名品」を同時開催している。学芸員の齋藤直子さんは「わんなどの茶道具は、ぜひとも全体を見ていただきたい。このケースで展示することで、見る方向によって変わる名品のさまざまな表情を楽しんでもらえるのでは」と語る。
希望者には呈茶(200円~)が行われ、金沢市と埼玉県在住の作家による6種類のわんから好きな器を選んでお茶を楽しめるようになった。齋藤さんは「体験型として楽しめる部分が増えたので、気軽に足を運んでほしい」と来館を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、一般=300円、65歳以上=200円、高校生以下無料。リニューアル開館記念企画展は5月25日まで。