児童がサケをふ化させ稚魚放流-金沢市・環境保全学習の一環で

3カ月間、卵からふ化させ育てたサケの稚魚を犀川に放流する児童たち。

3カ月間、卵からふ化させ育てたサケの稚魚を犀川に放流する児童たち。

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 金沢市立戸板小学校(金沢市二口町)の5年生児童たちが昨年12月、サケの受精卵200個を校内の水槽で飼育。見事ふ化に成功させ、4~5センチ程に育った稚魚をこのほど、近くの犀川に放流した。

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 同校では、毎年5年生児童の環境保全学習を目的としたサケのふ化・放流活動を行っており今年で9年目。「サケが帰ってくる美しい川の環境を作ろう」がテーマで、「生命の誕生」という理科の学習にもつながっている。

 この活動は、金沢市環境局環境保全課が行う「サケの飼育・放流事業」を受け、希望する市内の小学校が自然環境学習の一環として毎年実施するもの。

 同市では1985年から、犀川での同放流事業の基本となるサケの増殖事業を21年間実施してきたが、近年の水質改善もあって順調に遡上(そじょう)数が増えてきており、「後は自然増殖に任せる」として、2006年に増殖事業自体は打ち切った。

 児童たちは「サケ飼育実行委員」を決め、飼育中の様子を「サケの観察記録」に付けたり、当番で毎日の水温計測や餌やりをしながら稚魚を大切に育ててきた。今回、水槽からその稚魚を各自のペットボトルに2~3匹ずつ移して近くの犀川まで歩き、最後は浅瀬で一斉に放流した。児童の一人は「毎日の世話は大変だったが、成長するサケの姿を見るのが毎日楽しみだった」と振り返る。その後には河原のゴミ拾いも行って環境保全を体験した。

 放流された稚魚たちは北太平洋を回遊し、約4~5年後に犀川に帰ってくるが、その帰巣率はわずか1%に過ぎないという。

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