金沢のギャラリーショップ&カフェ「コニーズアイ」(金沢市武蔵町、TEL 076-204-8431)で現在、企画展「本所七不思議~怪談ぐい呑み展」が開催されている。
同展では江戸時代から広く親しまれてきた「本所七不思議」を題材に、お化け好きのアーティストとガラス職人がコラボし制作した酒器を並べる。
「本所七不思議」とは、本所(=東京都墨田区)に伝承される奇談や怪談。当時の都市伝説でもあり、古くから落語などのネタとして庶民の好奇心をくすぐり親しまれてきた。1937(昭和12)年には、この怪異を題材とした映画も製作されている。「七不思議」というが、伝承により登場する物語が一部異なることから、実際は7種類以上のエピソードが存在するともいわれている。
酒器を製作したのは、本所の地元の老舗「松徳硝子」。ガラス職人が一点一点手仕事で吹き上げたぐいのみに、サンドブラスト加工で七不思議をモチーフにした図案が彫り込まれている。7種のぐいのみはおのおのきり箱とセットで販売され、さらに「シークレット」の2種を加えた9点を納める「フルセット」も注文できる。
デザインを手掛けたのは、「置いてけ堀」=金井田英津子さん(版画家・イラストレーター)、「送り提灯」=北葛飾狸狐さん(化けもの人形師)、「送り拍子木」=天野行雄さん((妖怪造形家)、「消えずの行灯」=北村紗希さん(型染め作家)、「足洗い屋敷」=金子富之さん(日本画家)、「片葉の葦」=山下昇平さん(イラスト造形舞台美術係)、「狸囃子」=波津彬子さん(少女漫画家)、「落葉なき椎」=伊藤三巳華さん(漫画家)、「津軽の太鼓」=京極夏彦さん(小説家)。
監修した東雅夫さんは「全国に数多くある『七不思議』の中でもとりわけ名高く、文芸作品や映画の題材ともなった『本所七不思議』は、そこに暮らす人々の郷土への深い愛着と好奇の念により、伝承されてきた。松徳硝子とお化け好きアーティストの妖しきコラボで生まれた器で、美酒を酌み交わしてほしい」とコメントを寄せる。
営業時間は11時~18時。月曜・火曜定休。価格は、1点=3,700円、フルセット(9点)=3万6,000円。8月4日まで。