金沢の今井金箔本店(金沢市幸町、TEL 076-223-8989)1階ショップ内で現在、歴史小説「等伯」の挿絵原画を展示する作品展「西のぼる~等伯を描く~」が開催されている。
「等伯」は小説家安部龍太郎さんが、七尾市出身の絵師長谷川等伯の生涯を題材に描き、今月16日発表の第148回直木賞を受賞した作品。全465回にわたって日本経済新聞朝刊の紙面で掲載され、作品の主人公長谷川等伯と同じ能登出身の画家西のぼるさん(白山市在住)が計465枚の挿絵を描いた。
展示しているのは、安部龍太郎さんが厳選した100枚の挿絵原画を薄い金箔(きんぱく)の上に印刷した「金箔(きんぱく)画百選」で、今井金箔の松川裕子さんは「金箔にただ印刷しただけでは金の色が出ない。どの部分を金箔で強調するかがポイント。絵を金箔画にする事自体、今まで無かった事なので、ぜひ多くの人に見てほしい」と話す。
同展は全国3カ所でも行われているが、金沢での特徴は「光の当て方」だという。金箔は本来、光の代用であった部分もあり、スポットライトの向き一つで、輝きが大きく違って来る。金箔の事を熟知している今井金箔ならではの見せ方も注目の一つだ。
そのほか、「等伯」挿絵原画50枚、「西のぼるの能登松林図」原画100枚を、会期中入れ替えて展示。挿絵を基に作られた金箔びょうぶ1点と、金沢での作品展開催直前に完成した作品を含む2点の金箔画も展示・販売する。
営業時間は9時30分~18時。水曜定休。入場無料。2月26日まで。