漆の国際公募展として世界唯一の「国際漆展・石川2009」の開催に向けて、作品募集が始まった。
同展は1989年に始まり、毎回、アジア、ヨーロッパを中心にした世界10数カ国から作品応募がある。第8回となる今回は、作品の表現力に加えて商品としての市場性も重視され、漆を用いた新しい生活提案や新しい感性の提案に期待が高まる。「漆の新しい広がり」をテーマに来年1月、金沢市で入賞・入選作品を集めた展覧会、3月に輪島市で巡回展を開く予定。
公募する作品の対象は、漆が施された食器、花器、インテリア用品、壁画、ジュエリー、オブジェなどで、すでに発表されている作品や市場に流通している商品でも受け付ける。締め切りは6月10日で、8月に第1次スライド審査、10月に実物作品の本審査を行う。
審査員は、栄久庵憲司(インダストリアルデザイナー)、大西長利(漆芸家、東京芸術大学名誉教授)、小松喨一(金沢卯辰山工芸工房館長)、権相五(漆芸家、新羅大学校漆芸研究所長)、前史雄(漆芸家、人間国宝)、モニカ・コプリン(ミュンスター漆器博物館長)、山村真一(デザインコンサルタント、コボ代社長)の各氏。
国際漆展・石川開催委員会の事務局がある石川県デザインセンターの担当者は「輪島塗、山中漆器、金沢漆器の産地である石川県の特性を踏まえ、今回は商品開発や用途開発の新たな可能性を探る機会にもなってほしい」と期待を寄せる。このため、従来の賞に加えて準グランプリの「賞品開発特別賞」を設け、副賞として50万円を贈る。
金沢漆器をヨーロッパへ-老舗漆器店「能作」が海外戦略を本格化(金沢経済新聞)ヴィトンと輪島塗がコラボ-限定200個の小物ケースが人気に(金沢経済新聞)国際漆展・石川開催委員会