金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で4月28日、企画展「工芸未来派」が始まった。
同展のキュレーターを務めるのは館長の秋元雄史さん。2007年の就任以来、数々の工芸作家と交わる中で触れてきた伝統工芸の世界を、自身が専門とする現代美術の視点で調査・研究してきた経験を生かす。「工芸が今の表現であり、世界共通の表現であるか」という疑問をきっかけに企画、現代美術の新しい試みとして工芸の「現在性」と「世界性」を問う内容となっている。
出展する作家は、青木克世さん、大樋年雄さん、中村康平さん、葉山有樹さん、猪倉高志さん、桑田卓郎さん、中村信喬さん、見附正康さん、「雲龍庵」北村辰夫さん、竹村友里さん、野口春美さん、山村慎哉さんの12人。漆・陶芸・彫刻など125点の作品が並ぶ。各作家に共通する現代的な表現力で制作された作品を通して、伝統と現代性を併せ持った工芸の世界を紹介する。
秋元さんは「現代美術を専門とする当館では、初の工芸一色の展示内容となるが『今日のアート』として着目してもらえれば」と来館を呼び掛ける。
関連企画として、秋元館長によるレクチャー「工芸未来派を語る」(5月19日、14時~15時30分)を予定する。同展に併せ、同市近郊の11ギャラリーでは7~8月、工芸をテーマにした企画展「工芸未来派サテライト」を一斉開催する。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休館(7月16日・8月13日は開館)。入場料は、一般=1,000円、大学生=800円、小中高生=400円、65歳以上=800円。8月31日まで。