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展覧会で「出張コーヒー店」-金沢美大生、作品イメージに合わせたブレンド提供

ひきたての豆を使ってコーヒーを入れる門脇さん

ひきたての豆を使ってコーヒーを入れる門脇さん

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 金沢美術工芸大学の学生が金沢市内で開催される展覧会の会場で、単発の「出張コーヒー店」を開店している。提供するのは、作品や会場の雰囲気に合わせて考案するオリジナルブレンドで、好評を博している。

作品や会場の雰囲気に合わせたオリジナルブレンドコーヒーを提供する門脇さん

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 学生は、美術工芸学部デザイン科環境デザイン専攻4年の門脇悠さん(21)。

 門脇さんは中学生のころ、自ら豆をひいてこだわりの1杯を入れてくれていた祖父の影響でコーヒー好きになり、大学入学後、アルバイトで稼いだ金をはたいてハンドメードの焙煎(ばいせん)機を購入した。知り合いの家具店主に振る舞ったところ、「ぜひうちで出してほしい」とせがまれ、2010年冬、企画展に合わせて初めて「出張コーヒー店」を出店。以来、同店やアルバイト先のギャラリーなどで10回程度、営業している。

 学業の傍ら環境音楽の制作も手掛け、昨年4月、インディーズ・レーベルから他のアーティスト9人と共にコンピレーションアルバムをリリース。コーヒーのブレンドの根底にあるのは、「会場に合った音楽を作るイメージ」。アンティークを扱うインテリア店「ENIGME(エニグム)」(千日町)に出店した4月29日は、「3回ほど通うと良さがわかるアンティークショップと同様、3口目を含み、鼻に香りが通ったくらいで『うまい』と思えるコーヒー」をテーマに、『ティピカ』のコロンビアとカメルーンのブレンドを提供した。

 一方、九谷焼作品展「今村公恵陶展-色咲‘12-」開催中の「ギャラリートネリコ」(池田町)で営業した5月6日は、今村さん制作の色鮮やかなカップにマッチする「香り豊かなブレンド」を目指し、カメルーンの豆を柱にした。

 店舗の経営者や出展作家からの評判も上々で、今村さんは「五感で作品を楽しむことができ、来場者にいい印象を持ってもらえる」と歓迎する。

 価格は使用する豆によって変わるが、通常は1杯300円程度。

 「悪い豆は全て捨て、おいしい豆をふんだんに使っている。普段、コーヒーを飲めない空間で提供できるのが面白い」と門脇さん。

 5月20日には、金澤表参道で行われるイベント「よこっちょ・ポッケまーと」に出店する。「ギャラリートネリコ」での次回の開店は、「稲積佳谷陶展-よろこびの歌-」開催中の7月8日と15日を予定している。

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