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金沢に築80年の町家を改装した「マチヤアトリエ」-和装小物店や工房でシェア

「マチヤアトリエ」の外観

「マチヤアトリエ」の外観

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 築80年の町家を改装した「マチヤアトリエ」(金沢市芳斉町)が3月3日のオープンから1カ月を迎えた。

「マチヤアトリエ」に入居する和装小物店「和すもも堂」

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 町家の活用を手掛けたのは、大学教授らで構成する「金澤町家ドミトリー推進機構」。市内に残る町家を所有者から借り、活用することで地域の活性化を目指す。同町家は、かつて「松本染物店」として使われていたもの。主人を亡くし一人住まいしていた高齢の所有者が、広すぎるうえ、寒さ対策も不十分であることからマンションへの住み替えを希望していた。そこで、同機構が定期間借用し共同のアトリエ形式で入居者を募集した。

 延べ床面積380平方メートルの同町家に入居するのは、和装小物店「和すもも堂」のほか、染織作家・斉藤道代さんの工房、家具のショールーム「朝来屋」、イベント企画会社「G-VOICE PLANNING」事務所。オープン後は染織専攻の美大生なども利用を始めた。

 古くから残る町家の取り壊しや転居時に、有志が感謝を込めて掃除する「おくりいえプロジェクト」を通して同町家と出合い出店を決めた「和すもも堂」店主のあざみゆみこさん。「できるだけ元の形を残し生かすため、必要な改装は自分たちの手で行った」と話す。店内には、サイズに合わせて鼻緒を付けられる草履や手染めした手拭い、ポーチなどの和装小物が並ぶ。店奥の間では和裁教室や着付け教室のほか、地元で活躍する作家の作品などを展示し、地域に根ざしたアンテナショップとしての活動を目指す。

 同町家の今後の活用について、あざみさんは「入居をシェアするほかの作家や会社と共に、町家の風情を生かしたイベントも開いてみたい」と意欲を見せる。

 「和すもも堂」の営業時間は12時~17時。水曜定休。

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