「かぶら寿し」で知られる漬物・みそ・しょうゆ製造販売を手掛ける「四十萬谷本舗」(金沢市弥生1、TEL 076-241-4173)が、日本海で捕れる高級魚ノドグロの麹(こうじ)漬け焼きと、能登の漁港などに水揚げされるマダイのみそ漬け焼きを冷凍食品にして売り出した。
同社では、魚をさばけない若者や、子どもの独立後、夫婦2人の食事を手軽に済まそうと考える熟年世帯、火事を心配して火を使わない高齢者世帯が増えていることに着目。日本海のおいしい魚を家庭で手軽に楽しんでもらうため、冷凍焼き魚の製造・販売に乗り出した。
ノドグロの麹漬け焼きには「かぶら寿し」と同じ麹菌を使い、ほんのりとした甘さで素材本来の味を引き立てた。マダイのみそ漬け焼きはブレンドしたみそに数日間、切り身を漬け込んだ。どちらもふっくらと焼いた後、真空パックに詰め、昨年11月に導入した最新の凍結機で冷凍したもの。各家庭では湯せんや電子レンジで加熱し、焼きたての味を再現することができるという。食品添加物は一切使っていない。
初年度の売り上げは1,000万円を目標にしている。
今年8月にも、能登などの漁港に揚がったスルメイカを蒸して、加賀野菜の金時草やキャベツ、ニンジンなどを詰め込んだ冷凍「能登いか野菜づめ」を発売した同社。四十万谷正久社長は「日頃から地元の水産物や野菜の全国発信を目指しており、これもその一つ。来年夏ごろには第3弾を発売したい」と意気込む。
価格は、「のどぐろ麹漬焼」=1,890円、「真鯛味噌漬焼」=798円。インターネットのほか、市内5カ所の直営店でも販売する。本店(同、TEL 076-241-3122)の営業時間は9時~19時(日曜・祝日は18時まで)。