金沢・片町で10月9日、明日のスターを夢見る若者のためのオーディション「KANAZAWAスカウトキャラバン」が開かれ、在京の大手レコード会社5社の担当者が出場グループ27組のうち、8歳のブレークダンサーら将来有望と判断した5組にスカウトの札を挙げた。今後、連絡を取り合う予定で、金沢発のスターが誕生する可能性が膨らんだ。
キングレコードの担当者が札を挙げたダンスグループ「WM Swagg!!」
同キャラバンは片町商店街振興組合などが主催する「片町ホコ天」のメーンイベントで、北陸3県在住の小学1年生から26歳までの男女が対象。歌手やダンサー、モデルなどを志す117組から応募があり、このうち予選を通過した男性5組、女性22組の計27組がこの日、国道157号上に用意された野外ステージに登場した。
出場者の1人、SHO-SEI(本名・西田翔星)君(8)=能美市湯野小学校3年=は観客約1000人(主催者発表)が見守る中、小学1年から始めたブレークダンスを披露。逆立ちをして足を広げてリズムをとる「ラビット」や、頭で回転する「ヘッドスピン」などを織り交ぜて1分半踊り、喝采を浴びた。
エイベックス・プランニング&デベロップメントとビクターエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメントの3社が名乗りを上げ、同社の担当者は「8歳でここまでのステージを見せてくれる人はちょっといない」と絶賛。SHO-SEI君は出演者のうち1人が選ばれるグランプリにも輝き、副賞として、ダンスやボイストレーニングのスクール「エイベックス・アーティストアカデミー」で半年間、授業料無料で学ぶことができる特典を与えられた。
ダンスを始めたきっかけは保育園の先生の勧め。初めはヒップホップダンスの教室に通ったが、ブレークダンスを見た途端、「かっこいい」と夢中になり、転向したという。現在は週2回のレッスンに加え、毎日2時間半、体育館で大人に交じって汗を流し、パワームーブの技に磨きをかけている。憧れはEXILEのバックダンサーとして、プロモーションビデオにも出演する新潟県の小学6年生の「はると」君。インタビューに対し、「めっちゃうれしい。将来は有名なBボーイ(ブレークダンサー)になりたい。はると君みたいにEXILEの後ろで踊りたい」と、満面の笑顔を浮かべていた。
このほか、ダンサーとモデルを目指すMIYU(みゆ)さん(11)=津幡町=、10歳から12歳の6人で作るダンスグループ「WM Swagg!!(ダブリュー・エム・スワッグ)」=金沢市=、生け花のデモンストレーションをしたモデル志望の柴田優衣子さん(26)=同=、女優とモデル、アナウンサーを夢見る高校生の藤内秋桜さん(17)=福井県坂井市=にも、レコード会社の担当者が面会を申し込んだ。
実行委員会事務局によると、「テレビ番組以外で、レコード会社がスカウトのために集まるのは初めて」だが、参加した5社全てが片町で1人以上のスター候補生を見つけたことになる。全てが契約に結び付くとは限らないが、中には自社アーティストの金沢公演のバックダンサーを依頼する会社もあり、選ばれた人たちはそれぞれ喜びと期待で胸を膨らませていた。