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会社帰りの勤め人ら対象に農業入門講座-平日夜、金沢駅近郊のホテルで開講

講義に聞き入る受講者

講義に聞き入る受講者

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 会社帰りの勤め人らを対象にした農業入門講座「いしかわ耕稼塾(こうかじゅく) 駅前アカデミー」が9月14日夜、JR金沢駅に程近い金沢マンテンホテル駅前(金沢市北安江1)で開かれ、就農を目指す会社員や家庭菜園に取り組む主婦ら約30人が講義に聞き入った。主催は石川県といしかわ農業人材機構。

開講した「いしかわ耕稼塾 駅前アカデミー」

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 農林水産省の「農業センサス」によると、県内で主に農業に従事している人の数は2010年現在、約1万4300人(農業法人の従業員を含む)で全国的に見ても少ない。高齢化も著しく、このうち7割が65歳以上で、50代と60代前半で約25%を占め、50歳以下はわずか5.4%にとどまっている。このため、同機構では農業人口の拡大を目指し、就農希望者に対する基礎研修や農家に対する技術指導、消費者向けの農作業体験会を行っている。

 駅前アカデミーも消費者向けの体験会の一環で、日中、勤めていて時間がとりにくい人向けに、仕事帰りに立ち寄れる平日夜の時間帯を設定した。場所も同駅近くのホテルに決め、受講生の利便を図った。

 当初は就農希望者の受講を想定しておらず、「まずは農業の応援団になってもらおう」(同機構)との考えだったが、同日行ったアンケートでは受講者のうち40~60代の男性4人が就農を希望し、30代の男性1人が農業法人への就職を考えていることが分かった。

 アカデミーは10月19日までの全6回で、同塾講師や県農業総合研究センターの研究員らが病害虫や農薬、品種改良、土づくり、おいしい野菜の見分け方などについて講義する。県産農産物の試食や果物の糖度測定実験なども予定。受講無料。

 初回は同機構の宮田茂之参事が「農業ってそうなの?」をテーマに、県内の作付面積や年間の産出額、加賀野菜、能登野菜などについて説明した。ワイシャツにネクタイ姿の受講生たちはまじめな表情で資料に見入っていた。講義の後には県産最高級ブドウ「ルビーロマン」の試食と、就農希望者対象の相談会が行われた。

 同機構の谷内勇人総務主任は「就農希望者の受講を歓迎する。これをきっかけに、専門技術を学べるいしかわ耕稼塾の本科、専科に応募していただければ」と期待を込める。

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