「かなざわ映画の会」は9月16日~23日、市内の3会場で「カナザワ映画祭2011」を開催し、「暴力」をテーマにした26本の作品を上映する。
映画上映を行う市民有志の団体として2007年に発足した同会が主催する同祭は今年が5回目。全国からコアな映画ファンが訪れ、昨年は過去最高の動員を記録したという。
今年は、2008年に好評を得た「フィルマゲドン」(映像の黙示録を意味する造語)の第2弾として「暴力」をテーマに人間のダークサイドに迫る。会場は、金沢21世紀美術館シアター21(金沢市広坂)、シネモンド(香林坊)、香林坊にぎわい広場(長町)の3カ所。
オープニングに野外上映するのは「カランバ」(16日、香林坊にぎわい広場、20時~、無料)。「グレートハンティング」のマリオ・モッラによる最後の作品で、新聞やテレビでは報じられない残酷な場面のみで構成されるドキュメンタリー。ショッキングな映像が原因でヨーロッパでは上映禁止となった。
各会場で上映されるのは、無法地帯と化した現代のメキシコを描いた「メキシコ麻薬戦争 8マーダーズ・ア・デイ」(2011年)、ニューヨークのハーレムの黒人ギャングたちを描いた女性監督の作品「クールワールド」(1964年)、異常な自然現象や人為的原因によって、人間の命・社会生活・未来がことごとくたたきつぶされる恐ろしさや悲惨さを記録したドキュメンタリーの元祖「カタストロフ 世界の大惨事」(1977年)など。
イベントプログラムでは、映画評論家の町山智浩さんとヒップホップグループ「ライムスター」の宇多丸さん、映画ビジュアルデザイナーの高橋ヨシキさんによる鼎談(ていだん)(19日)のほか、映画評論家で作家の平山夢明さんと作家の福澤徹三さんによるトークショー「ジャパニーズバイオレンス」(18日)、同祭5周年の記念シンポジウム(23日)を予定する。
料金は、1回鑑賞券=1,500円(前売り=1,300円)、3回鑑賞券=3,500円(前売りのみ)、各トーク券つき1回鑑賞券=2,500円(前売り=2,300円)。チケットは、金沢21世紀美術館、シネモンドのほか、同会の注文フォームで取り扱う。上映スケジュールなどの詳細は同会のサイトで確認できる。問い合わせは同会(TEL 076-287-6628)まで。