金沢の建設業者「小路建設」(金沢市二俣町)は6月24日、複業化の一環として栽培したコメの販売を地元スーパー16店舗で始めた。
地方に基盤を置く中小建設業者の経営は、公共投資が大幅に削減される中、厳しい状況に置かれている。こうした状況を受け、新分野進出などの経営革新を後押しする自治体による支援策も本格化しており、同社では2009年に石川県が創設した建設業複業化支援プログラムの認定を受け、農業への参入を決めた。
同社は、農業機器を整備の上、約2ヘクタールの耕作放棄地を借り上げ、枯れ葉をたい肥に使った独自ブランドのコメの栽培を始めた。有機、低農薬で栽培した今年のコメの収穫は8.5トン。県内のスーパーへの販路開拓と、ネーミングやパッケージデザインを含むパッケージ戦略は県中小企業団体中央会が支援した。
地産地消を目指す同商品は「医王山の水が育んだお米・うららか」と名付けた。甘みのある味わいが特徴だという。同社では「2~3年後には作付面積を5ヘクタールに拡大する予定」と意気込む。
価格は、5キロ2,880円。県内の東京ストアー全16店舗で扱う。