金沢美術工芸大学美術工芸学部デザイン科の学生グループがデザインした携帯電話・スマートフォン(多機能携帯電話)用携帯型充電器がKDDI(東京都千代田区)のコンペティション「iida AWARD 2011」で入賞し、来春をめどに製品化されることになった。
製品化が決まった携帯型充電器「Buliki(ブリキ)」のCG(三宅さん提供)
グループは同大4年、三宅諒さん(23)、3月に卒業後、エレクトロニクス機器や電子部品を製造するメーカーに入社し、現在は関西に住んでいる中山雄介さん(23)、同じく卒業生で、東京の総合広告制作会社に就職した橋本千里さん(23)の3人。
受賞した作品は黄色いゼンマイ型の充電器「Buliki(ブリキ)」で、携帯電話をブリキのおもちゃに見立て、ゼンマイでネジを巻くというイメージでデザインしたという。コンペティションでは、「強さとかわいさ、懐かしさなど、さまざまな情感を呼び起こす」と高い評価を得た。
同社では、グループや今後決定する協力メーカーと協議を重ね、内部に入れる動力源など詳細を検討。順調に進めば、来春発売の予定だという。
「iida AWARD」は常識や慣習にとらわれない新たな才能を発掘し、国内外の携帯電話のデザイン市場に新風を吹き込むことが目的で創設された。今回が2回目で、昨年10月から全世界の学生を対象に携帯電話の周辺アイテムやデジタルコンテンツのデザイン、企画を募集したところ、大学、専門学校、高校合わせて237校から570作品の応募があった。審査の結果、「Buliki(ブリキ)」を含む3作品が入賞した。
東京の家電メーカーに就職が決まっている三宅さんは「3人でいろいろ悩んで仕上げたので、とてもうれしい。ワークショップを通じて、いろいろなデザイナーの方とお話をできるのもいい経験になる」と期待に胸を膨らませる。