石川県漁業協同組合(JFいしかわ)は、県産ズワイガニのブランド名である「加能ガニ」をPRするためのポスターを制作するとともに、11月7日、JR金沢駅構内に加能ガニの入った水槽を設置するなど、ネーミングの浸透と消費拡大の取り組みに力を入れている。
県内の漁港で水揚げされるズワイガニは、全国的に有名な福井「越前ガニ」、山陰「松葉ガニ」と同じであるにもかかわらず、「愛称がないため石川産の知名度はいまひとつ」(県内漁業関係者)というのが実情。このため、JFいしかわでは昨年、県産ズワイガニのネーミングを募集し、1,015通の中から「加能ガニ」と命名。併せて、品質を保証する水色のタグをカニ脚に取り付けて出荷するなど、本格的なブランド構築に乗り出した。
ポスターは、カニを持つモデルや背景をモノトーンにして色を抑え、ゆで上がった加能ガニの鮮やかな朱色が浮き上がるビジュアルと、「yes! 加能ガニ-石川の豊かな海が王者を育てる-」のキャッチコピーが大胆にあしらわれている。JFいしかわでは、乗降客や観光客でにぎわうJR金沢駅構内のほか、県内の飲食店やスーパーの店頭などでの掲出を呼びかける。
11月6日、漁が解禁されたズワイガニは、翌7日から初物がスーパーや鮮魚店などの店頭に並べられた。今年は、近年にない豊漁の出足となり、「値段も安くてお買い得」(近江町市場関係者)。加能ガニの価格は1匹1,000円~10,000円、メスの「香箱ガニ」はほぼ底値という市況で、小ぶりなものは1匹200円程度となっている。