金沢を拠点に活動する劇団「アンゲルス」(金沢市彦三町、TEL 076-264-3078)は12月2日・3日、金沢市民芸術村(大和町)でロシア人作家、故アレクサンドル・ヴァムピーロフの作品「鴨猟」を公演する。
来年15周年を迎える同劇団は、年1~2年の本公演をはじめ、スタジオでの小劇場公演、学校での公演、劇場以外のスペースでの公演のほか、公演やワークショップを通して韓国やモルドバ共和国との交流も続けている。
公演では、短編集「事情があって」を出版後、主に戯曲を書き続けたロシア人作家・故ヴァムピーロフ氏の作品を取り上げる。同氏は生前、検閲の壁に幾度も阻まれながらも「チェーホフの再来」と騒がれるなど新鋭作家として人気を集めたが、35歳の時バイカル湖で事故死した。
「死んだ者たちが、砂漠の蜃気楼の中にかげろうの絵のように浮かび上がる。肉体的に健康で仕事にも新居にも恵まれ、女たちにももてる男が突然生きる調子を狂わせていく。『鴨猟』に行くことだけに情熱を注ぐ」という男のストーリーを描いた同作品。公演では、乾いた砂漠を演出した舞台と音楽性豊かな空間の中で団員によるパフォーマンスが繰り広げられる。
同劇団の本庄亮さんは「何だか退屈と感じる日常をちょっと変わった視点で見ることで、今ある自分を見つめてみよう」と来場を呼びかける。
開演は、12月2日=19時30分、3日=15時・19時30分。入場料は、一般=2,000円、高校生以下=1,000円。チケットは同劇団のほか金沢市民芸術村(TEL 076-265-8300)で取り扱う。