金沢市武蔵商店街振興組合の工芸体験イベント「伝統文化ふれあいフェア むさし再発見」が11月3日、和菓子店「越山甘清堂」(金沢市武蔵町)で開かれ、親子連れらが組合加盟店の職人やシェフから菓子づくりや作陶、張り子の絵付けなどの技を学んだ。
同組合は伝統工芸にかかわる加盟店が多く所属することから、各店舗の個性を生かした集客イベントができないかと思案。文化の日に合わせて、今年初めて同フェアを企画した。
「越山甘清堂」の職人2人は、親子連れら約50人に上生菓子作りを指導。参加者は練りきりあんで紫色のキキョウと、白色の菊の花を形作った。
加賀人形と金沢の郷土玩(がん)具を扱う老舗「中島めんや」は、来年のえとである卯(うさぎ)の張り子の絵付け体験教室を開催。玩具職人が見守る中、子どもから大人までが筆を握り、真剣な表情で真っ白な張り子に目や鼻、口、ひげなどを描き入れた。
アートスクールも開く「アートショップ アルトラ」は、ろくろと手びねりによる作陶を教え、金沢スカイホテルの洋食厨房のシェフはサツマイモ「五郎島金時」を使ったスイートポテトを子どもたちと共に仕上げた。九谷焼の絵付けや金箔張り体験、生麩(ふ)田楽、おはぎ作りも行われ、会場は朝から大いににぎわった。
上生菓子作りに参加した小学4年の女子児童は「あんを丸めて三角べらで花の形を作るのが楽しかった。家でも作ってみたい」と目を輝かせていた。
同組合担当者は「フェアに参加した方には、ぜひ体験を指導した店にも足を運んでいただきたい。今回は大変好評だったので、次回の開催も考えたい」と継続を示唆する。