加賀友禅の1工程であるのり置きの職人、中島良二さん(60)(寺井町)が10月13日までに、お札専用の貯金箱「貯札箱(ちょさつばこ)」を製作した。京友禅に用いられる技法「金加工」で七福神を描いてあり、新札で200万円程度ためられる。中島さんは「お金持ちの方にお薦めしたい」と売り込んでいる。
貯札箱は縦約8センチ、横約15センチ、暑さ約3センチの直方体。土台の缶をくるむ紫色の生地に、接着剤入りの金粉をこすりつけて絵を描く京友禅の技法、「金加工」で毘沙門天や弁財天など七福神をデザインした。側面に投入口があり、ここからお札を入れることができる。
加賀友禅業界はバブル経済崩壊後、出荷額が激減。のり置きの工賃も10年前の4分の1程度に減っていることから、中島さんは新しいアイデア商品の開発に取り組んできた。
貯札箱もその1つで、価格は3,500円。金沢白鳥路ホテル(丸の内)で開催する新作発表会「平成友禅商店in金沢白鳥路ホテル」で10月16日~24日、販売する。
中島さんは「形状の関係で絵を大きく描けなかったのが反省点」と話し、「平成友禅商店」の来場者の反応も見ながら改良を考えることにしている。