美大生が図工の先生に-長田町小など8校に芸術教育支援員

児童に下絵の描き方を指導する馬醫さん

児童に下絵の描き方を指導する馬醫さん

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 金沢美術工芸大学(金沢市小立野5)は10月7日、市内8小学校の図画工作の授業に学生を「芸術教育支援員」として派遣する事業を始めた。初日は長田町小学校の5年生22人が美大生のアドバイスを受けながら版画制作に取り組み、美術の楽しさに触れた。

 支援員を務めたのは、同校で小学校1年~3年を過ごした同大大学院美術工芸研究科彫刻専攻修士課程1年、馬醫(ばい)大輔さん(23)。馬醫さんはまず、絵本「ごんぎつね」を題材に、自ら描いた下絵を紹介。「本の中で気になったものの絵を紙からはみ出るくらい大きく、思い切った構図で描いてください」とアドバイスした。

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 児童は5グループに分かれ、絵本「11ぴきのねこ」「ざぼんじいさんのかきのき」などから抜粋した4場面の下絵を描いた。馬醫さんは各グループの様子を見て回り、自ら鉛筆をとって動物の特徴のとらえ方を教えるなど、一人ひとりに指導した。「11ぴきのねこ」の中で、大きな魚に飛びかかる猫たちを描いた長澤駿平君は、用紙の半分を使い大きな口を開けた魚を描写。西岡美佑さんも船で旅に出る主人公たちの姿を細部の表現を省いて大胆に描いた。

 馬醫さんは「僕は小学3年のころ、何を作っても図工の先生から『だめだ』と言われてばかりで、先生が嫌いだった。自由に何でもやっていいということが子どもたちに伝われば楽しんでもらえると思う」と話す。同校の前田みどり教諭は「具体的な作品例を示してもらえたので、小さくまとまっていた子どもたちの絵が変わった」と感謝した。

 同事業は同大と金沢市が連携して今年度初めて実施した。「芸術教育支援員」は教員免許を持つ同大大学院生の有志8人が務める。日本画や油絵専攻の学生もおり、1人ずつ市内の小学校に分かれ、各10時限程度、児童を指導する。

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