史上最年少の11歳6カ月でプロ棋士となった藤沢里菜初段(小学6年)とコンピューター囲碁ソフトの対戦が10月2日、金沢市のしいのき迎賓館(金沢市広坂2)で行われ、ソフトが投了し、藤沢初段が勝利した。
対戦は9月24日から開催されているコンピューターチェス世界選手権のイベントの一つ。ソフトは台湾の国立台湾師範大学博士課程、黄士傑さん(32)が3年をかけて作った「ERICA(エリカ)」。8ソフトが出場した囲碁19路のトーナメントで優勝し、藤沢初段との対戦権を手にした。
エリカには6目のハンディキャップが与えられた。序盤は悪手を連発したものの、中盤は強気の攻めでユニークな発想の手を打ち、「いい戦い」(解説の白江治彦8段)を展開した。最後は「これ以上戦っても勝ち目はない」と自ら判断。投了し、藤沢初段の「白中押し勝ち」が決まった。
終了後、藤沢初段は「前に人がいないので戸惑った。最初は順調だったが、途中から定石にない手を時々打たれて難しくなった」と対戦を振り返った。
コンピューターチェス世界選手権は北陸先端科学技術大学院大学が創立20周年を記念して誘致。日本初開催となり、15カ国から囲碁や将棋、チェス、パズルゲーム、6目並べなどの18種目に125ソフトが出場した。