約5畳分のアートスペース「pARa:siTe(パラ:サイト)」(金沢市松寺町子 G-WING’S内、TEL 076-238-0788)で10月13日より、金沢市在住のアーティスト・中森あかねさんの個展が開催されており、作品上映のため同スペースが定員2人の「超ミニシアター」に変身している。
同展では中森さんの短編映画2作を上映する。「大野/女編」(2003年、20分)は、説話集「日本霊異(りょうい)記」と歴史書「三代実録」に収められた話を題材に、同市の旧大野郷に関わりを持つ対照的な2人の女性の物語を大野地区の町並みとともに描いた作品。中森さんは監督と撮影を担当した。「Hotel 21」(2005年、15分)は横浜トリエンナーレ2005のナカニワ映像プログラムで発表された作品で、中森さんが脚本・監督・撮影を手がけた。同市に実在するラブホテルを舞台に、夢と現実の間をさまよう娼婦を描いている。いずれの作品も、出演者は、制作当時同市に在住していた一般人。
同スペースには2席が設けられ、作品の上映中は貸し切り状態になる。同スペースのメーンキュレーターである中西研大郎さんによると、小さなスペースならではの空間を生かし、映像アートを独り占めできるプライベート感を演出したという。中森さんは「今回は過去の作品の上映であり、今後の映像作品を制作するための区切りとしての意味合いを持たせたい」と話している。
営業時間は10時~17時。10月31日まで。会期中の休館日は20日、21日。