文久2年創業の老舗「九谷焼諸江屋」(金沢市片町1、TEL 076-263-7331)の店頭では、桜の開花を前に一足早く「桜」の器を楽しむ若い女性があふれている。
同店店頭のショーケースには3月上旬より、桜の器が重点的に飾られ、季節感を演出しながら「桜の花が咲き始めた金沢の桜の器を使ってみませんか」(同店)と、伝統ある九谷焼を日々の暮らしの中で季節を楽しみながら使う提案を行っている。主な商品は、陶芸家・平野由佳さんのコーヒーカップ・ソーサー(3,623円)、マグカップ(3,360円)、飯碗(3,255円)、湯呑(2,835円)など。
同店店主の諸江洋さんは「昔は桜の季節はあまりに短いため、ほかの季節では売れない桜をモチーフにする作家さんはほとんどいなかったが、この5年ほどの間に逆にその短い春を楽しむ器として若い女性を中心に桜の絵柄の作品の人気が高まってきた。現在は10人前後の作家さんの作品をそれぞれ5品目前後取り扱っている」と話す。
「他の花を見に行くことはないが、桜だけは見にいくという方も多い。日本人にとって桜は特別な花。その美しい桜色そのものが九谷焼の白い生地の上に再現されていることも人気の要因」(諸江さん)とも。