特集

【地域の魅力探り隊 with 北陸大学】
vol.04 地域連携が導く快進撃 金沢ポート

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 卓球・Tリーグに参戦して3季目を迎えた「金沢ポート」が目覚ましい躍進を見せている。初年度は最下位、2年目は5位という低迷を乗り越え、今季は取材時点(1月17日)で暫定首位と、優勝争いを繰り広げている。試合会場には多くの観客が詰めかけ、チームは地域に根差した存在として定着しつつある。快進撃の背景には、地域との関係構築を重視した運営方針がある。


いしかわ総合スポーツセンターで行われたホームマッチ(写真提供=西東輝)

 チームが短期間で地域に浸透した理由について、金沢ポートを率いる西東輝監督は「自分が卓球専門店を経営している点が大きい」と分析する。プロチームとしては珍しく、地域に拠点となる実店舗を持つことで、日常的にファンや住民と接点を持てる点が強みだという。「石川県では特に人との距離が近く感じる。企業や行政には『地域を盛り上げたい』という強い意識もある。そうした土壌がチーム運営とかみ合った」と話す。


店頭で接客する西東監督(写真提供=西岡春喜)

 チームは年代に合わせた多角的なアプローチを展開している。高齢者に対しては、卓球が生涯スポーツであることを生かし、施設を訪問してラリーを楽しみながら交流するイベントを実施。まだ卓球に触れたことがない子どもに対しては、児童館で体験会を開いている。競技人口が多い中高生や大学生に対しては、選手の学校訪問や、ホームマッチでのボランティア参加の機会提供などを行っている。「卓球人口を増やし、石川県に卓球文化を根付かせる」という方針の下、競技経験の有無を問わず関係人口を広げる取り組みを進めている。


輪島高校では卓球教室を行った(写真提供=西東輝)

 西東監督は好成績について、「これまで続けてきた活動の積み重ねの結果」だと言い、背景にファンの存在があることを強調する。ファンが会場に足を運び、その声援が選手の背中を後押しするという好循環。それを裏付けるデータがある。今季のホームマッチでは、敗戦時でも最終第5マッチまでもつれ込む接戦が多く、「勝ち点0」で終わった試合は一度もない。応援の増加が選手の粘り強さを引き出し、逆境でも崩れないチームの土台をつくっているという。

穴水町には高反発マットレスパッド100枚を寄贈した(写真提供=西東輝)

 西東監督には、もう一つ継続して取り組んでいる活動がある。それは能登半島地震の記憶を風化させないための被災地支援。高校・大学という青春時代を石川県で過ごし、この地で経営者となった西東監督にとって「能登の復興は使命」と言い、金沢ポートが「復興の希望の光」になりたいという思いから、チームは半年に1回以上の頻度で現地を訪問・活動している。

 「育ててくれた地域への恩返しがしたい」。日本一を見据える西東監督は決意を新たにする。

 

金沢ポート
https://www.kanazawa-port.jp/

【地域の魅力探り隊 with 北陸大学】は北陸大学の協力の下で取材を行い制作した特集記事です。
 

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