「食」をテーマに人や地域の姿を描いたドキュメンタリー映画2作品が5月11日、シネモンド(金沢市香林坊2、TEL 076-220-5007)で公開された。
上映するのは、山形県で「在来作物」を栽培する農家、その魅力を広めるため奮闘するイタリアンシェフ、研究を続ける山形大学の准教授などを描いた「よみがえりのレシピ」と、料理家・辰巳芳子さんが作る「いのちのスープ」を通して食と命の大切さを訴え、ナレーションを俳優の谷原章介さんが、朗読を女優の草笛光子さんが務めた「天のしずく」。
10日には「よみがえりのレシピ」で監督を務めた渡辺智史さんを招いたトークイベントが金沢市内で行われ、フェイスブックや口コミで集まった約70人が参加した。
「守り継ぐ。山形と石川の在来作物」と題した同イベントでは、渡辺さんのあいさつの後、映画の予告編を上映。加賀野菜の保存に努めている松下種苗店(弥生1)の松下良さんとのトークセッションも行われた。松下さんが「加賀野菜は現在38種類しかない。種というものは放っておけば消えてなくなり、地球上に二度と存在できなくなる」と語ると、渡辺さんは「今は価値が無いと思われていても、未来では価値があるものかもしれない。映画を通して、全国の生産者に種を無くさないで、というメッセージを伝えていきたい」と話した。
鑑賞料金は、一般=1,700円、シニア(60歳以上)=1,200円、大学生=1,000円、高校生以下=500円。