金沢の食品開発会社「日本海藻食品研究所」(金沢市本江町)が7月6日、「ウナギのかば焼きもどき」の技術開発に成功したと発表した。
6年がかりで開発した「ウナギのかば焼きもどき」を手にする日本海藻食品研究所の白石会長
「ウナギのかば焼きもどき」は、同社の白石良藏会長が6年前から開発に取り組んできたもので、原料提供などで提携する金沢豆冨(専光寺町)との「約束」でもあった。
ウナギの「身」は、おからと豆腐、魚のすり身を混ぜ合わせて作る。見た目と食感は本物そっくりだが、カロリーは控えめでかなりヘルシー。冷凍できるため、作り置きも可能だ。「皮」にもこだわった。通常のかば焼きもどきにはノリが使われることが多いが、同社の特許技術のペースト化した海藻と海藻エキスを使うことで、ウナギの皮の形状と食感をリアルに再現した。
これまで溶けないソフトクリームや「白子もどき」をはじめ、数々の独創的な食品の開発を行ってきた白石会長だが、全てのケースに共通するのは「おからや型崩れした豆腐、商品にならない海藻など、通常廃棄される食材を使う」という信念だ。
今回、かば焼きもどきの試作品を作るためのウナギの「型」は、白石会長の信念と情熱に共感した金沢美術工芸大学の学生がシリコンで制作してプレゼントしてくれたという。
ウナギの消費が増えるシーズンを迎えたが、今年は稚魚の不漁が原因で全国的にウナギの価格が高騰している。白石会長は「本物の代替品としてはもちろん、カロリーが高い食事を制限している人にも、かば焼きの味を気軽に味わってもらえたら」と話し、販路開拓への期待を込める。