金沢・大野地区の直源醤油(金沢市大野町1、TEL 076-268-1113)は4月21日、旬の能登ガキのエキスと自社製の本醸造しょうゆを素材にした「能登牡蠣(かき) だしつゆ」を発売した。
同社では、地元の調味料メーカーとして「できるだけ石川の海・山・里の食材を活用したい」との思いから、2年前から能登ガキに注目。試行錯誤を繰り返し、県のいしかわ産業化資源活用推進ファンドの支援も受け、完成にこぎ着けた。
カキは七尾市中島町の養殖もので、旬の2月に調達した。水とともに釜に入れて2~3時間煮出し、溶け出したうまみ成分をしょうゆ、白山の伏流水、水あめなどと合わせた。さらに、隠し味としてイワシのいしるを加える。だしつゆの約4割がカキエキスで、「まろやかでカキ自体の味と磯の香りが感じられる仕上がり」と同社専務の直江潤一郎さん。
用途は鍋、うどん・そばのつゆ、丼、吸い物のほか、「だしの代わりに卵焼きに入れたり、チャーハンの仕上げに使ったりしてもおいしい」(同社)という。
直江さんは「旬が限られた地元食材の味を、年間を通じて楽しめるようにするのが加工メーカーの役割。さまざまな料理に応用が利くので試してみてほしい」と話す。
薄めて使う希釈タイプで、200ミリリットル入り(420円)と業務用の1リットル入り(1,050円)がある。県内のデパート、一部のスーパーで販売中。