金沢のひがし茶屋街で4月17日、春の恒例イベント「浅ノ川園遊会」が開催され、富山市八尾町の芸能として知られる「越中八尾おわら踊り」の華、女踊りが披露された。
八尾町は藩政時代に豊かな町衆文化がはぐくまれた町で、今も格子戸や土蔵造りの建築物が並ぶ風情ある街並みが残る。「越中八尾おわら踊り」は、哀愁を帯びた胡弓(こきゅう)の音色に合わせて踊られる同町の名物として全国に名高い。
金沢・ひがし茶屋街でおわら踊りを披露する同イベントは約80年前、四校(現金沢大学)で学ぶ八尾町出身の学生が仲介となって、ひがし茶屋街の芸妓が踊る若柳流の日本舞踊が八尾にもたらされ、女踊りの振り付けが生まれたことにちなむ。
当日は「富山県民謡越中八尾おわら保存会」のメンバー約20人が、ぼんぼりがともる茶屋街のメーンストリートをたおやかに踊り流した。最後は輪踊りとなり、見物客も踊りの輪に参加。胡弓(こきゅう)と三味線の音色に合わせて伸びやかな囃子(はやし)が響き渡る中、大勢の市民や観光客がおわらの風情を堪能した。
浅ノ川園遊会実行委員会では7月から8月にかけて、夏の浅野川の風物詩となっている「白糸川床」の開催を予定している。