寝台列車「能登」「北陸」のラストラン-金沢駅に鉄道ファンら1,500人

「能登」と「北陸」の最終列車を見送る鉄道ファン

「能登」と「北陸」の最終列車を見送る鉄道ファン

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 半世紀にわたり金沢と上野を結ぶJRの寝台列車として多くの人に親しまれてきた「能登」と「北陸」がダイヤ改正に伴い3月12日、運転の最終日を迎えた。金沢駅のホームには両車両を見納めたいと、約1,500人の鉄道ファンらが詰めかけた。

「能登」最終便発車の瞬間

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 「能登」は1959(昭和34)年から米原経由の急行列車として活躍したが、1968(昭和43)年にいったん廃止となり、その後1975(昭和50)年には上越線経由で復活、現行で最後の489系ボンネット型の車両として人気を集めた。「北陸」は1950(昭和25)年に誕生、当初は大阪~上野間を走ったが1959(昭和34)年には金沢~上野間に短縮された。1975(昭和50)年からは、寝台特急として多くの人を思い出とともに運んだ。近年、高速バスの普及などの影響を受け、両列車は乗車率の低下と車両の老朽化によって廃止が決まった。

 最終便運行1カ月前の2月12日、全国で一斉発売された両列車の指定券は即完売するなど根強いファンは多い。最終便が発車した同駅では鉄道ファンらによる混乱を防ぐため、同社職員や金沢東署員が巡回にあたるなど、異例の厳戒態勢が敷かれた。

 同日行われたセレモニーでは、川崎同駅長が両列車の運転士に運転時刻表を手渡し握手。その後、両列車が入線すると駆け付けたファンらが一斉にシャッターを切り、ホームは熱気に包まれた。22時16分の「能登」、続く「北陸」の発車に合わせ、「ありがとう!」「さよなら!」との声が響き、多くの人が廃止を惜しんだ。

 「能登」は定期運行終了後も、485系の車両を使った臨時急行として休日や週末を中心に運行する。JR西日本では、489系のミニヘッドマークなどのグッズを販売するなど鉄道ファンの熱い思いに対応する。

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