粟津温泉のパン店「メティサージュ」が人気-日仏の文化交流目指す

粟津温泉のパン店「metissage」の陽気なオーナー・アンデルスさん

粟津温泉のパン店「metissage」の陽気なオーナー・アンデルスさん

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 小松・粟津温泉街の真ん中にあるパン店「metissage(メティサージュ)」(小松市粟津町、TEL 0761-65-2399)が2008年6月のオープン以来、近隣住民や遠方から多くの人が訪れ人気を集めている。

メティサージュの外観

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 オーナーは、フランス出身のアンデルス・ゲイトウさんと粟津出身の直美さん夫妻。アンデルスさんはイギリスやコスタリカでパン職人としての修行を積んだ経歴を持つ。12年前にコスタリカで直美さんと出会い結婚。その後パリで暮らしていたが、5年前に直美さんの実家のある粟津に引っ越した。

 「パン作りはアートで、その原点は愛」と語るアンデルスさんは毎朝3時に起きて仕込みを始める。原材料にも徹底的にこだわり、小麦はパンの種類に合わせて各国産を使い分ける。判断基準はアンデルスさんの舌だ。「フランスの家庭料理は、素材の味を生かした素朴なものが多い。本物の味を食べて育った彼は、自分の舌に絶対の自信がある」と直美さん。

 同店の自信作は小麦の味を生かしてじっくり作るフランスパンや、サクサクとした味わいのクロワッサン。どちらもそれまで苦手だった人が食べてみて「やめられなくなった」という声が聞かれたとか。

 メティサージュは「交流する、交わる」を意味するフランス語。日本文化を理解することから始めた店づくり。2人はフランス流のパンにこだわらず、日本流のパンも含めてさまざまな提案をしたいと考えている。「地域の人と文化、味、価値観の交流ができれば」と、店でワイン会などのイベントを開くほか、アンデルスさんが地元の小学校の教壇に立ちフランス文化について話すこともある。

 開店から2年半を経て、「地域にも受け入れられてきた実感がある」と直美さん。「地域の常連客から『おいしかった』という言葉はもちろん、『こうした方がいい』などのアドバイスをもらえることがうれしい」という。最近では口コミを中心に評判が広がり、金沢や加賀からの来店客も増えている。

 店舗の内装もできる限り2人で手作りしており、開店から少しずつ進化している。「それぞれの食文化の魅力を知ってもらうきっかけになれば」と、春までにはフランスの味と日本の味に分けてパンを提案するレイアウトに変える予定。

 営業時間は8時30分~18時。日曜定休、祝日不定休。

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