猫たちの物語を表現する木工展-金沢のギャラリーで「小嶋伸展」

小嶋伸さんの作品「おまねき劇場」

小嶋伸さんの作品「おまねき劇場」

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 クラフト金沢片町店(金沢市片町、TEL076-232-6557)で開催中の「猫+ワン展」で10月22日、木工作家の小嶋伸さんの作品を紹介する企画展「小嶋伸展」が始まった。

同作品「お招きロボット研究室」

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 同展は、期間を通して総勢40人の作家が制作した猫や犬の作品を展示・販売するもので、中でもファンの多い小嶋さんの作品を企画展として取り上げた。

 小嶋さんは友人の家づくりに参加したのをきっかけに独学で木工を学び、以来約30年間、木の持つ個性を生かし物語を感じる作品づくりを目指している。皮革工芸作家の妻・サチコさんとともに「クリ工房」を設立。現在は全国各地で個展を開いている。

 同展では、「自宅に飼い猫が増えるとともに猫の作品が増えた」という小嶋さんが制作した、猫をモチーフにした木工作品や手ぬぐい約50点が並ぶ。猫社会に生きる猫たちが繰り広げる生活のシーンを、ユニークな発想で表現する小嶋さんは「自分が笑えるものを作りたい。何十年もやっていると制作時間が足りないくらい色んなシーンが浮かんでくる」と話す。

 「おまねき劇場」は、「招き猫祭り」の前日に猫たちが浮かれている場面を表現。祭りで開かれる「おまねきコンテスト」のポスターを見て、コンテストに出ようと張り切る猫や、話題に夢中になり過ぎ、売り物の招き猫をトランクからばらまいてしまうセールスマンの猫などが登場する。

 「お招きロボット研究室」は小嶋さんがずっと温めてきた「工場シリーズ」の一つで、猫たちが「ロボット猫」を作る工場のシーンを表現している。ロボット猫を動かす心臓のネジを巻くのはネズミといったユーモアたっぷりな作品となっている。

 そのほか「猫カフェ」「銀座の灯り~ネズミのマリオネットを売る猫」など、さまざまな作品が並び、小物として登場するトランクなど革を素材にした部分はサチコさんが手掛ける。

 作品は基本的に廃材を使用い、さまざまな木材を組み合わせて作る。クスの木や、乾燥に強いという2千メートルの高地で採れた木など素材選びにもこだわる小嶋さんは「木の好きな人、猫の好きな人にはもちろん見てほしいが、純粋に作品を楽しんでほしい」と呼びかける。金沢の印象については、「金沢は人がいい、温かい。機会を作ってまた訪れたい」とも。

 営業時間は10時~19時。今月27日まで。

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