金沢・老舗窯元の九谷焼シャンパングラスが人気に-和洋融合と高級路線で注目

鏑木商舗8代目社長の鏑木基由さんは、普段からマイワイングラスを持ち歩きくこだわりの人

鏑木商舗8代目社長の鏑木基由さんは、普段からマイワイングラスを持ち歩きくこだわりの人

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 金沢の観光エリア・長町武家屋敷にある老舗九谷焼窯元・鏑木商舗(金沢市長町)が昨年発表した九谷焼のシャンパングラスが注目を集めている。

金沢の長町武家屋敷跡にある鏑木商舗本店

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 九谷焼シャンパングラスは、グラスがドイツの老舗シュピゲラウ社製、ステム部分が鏑木商舗オリジナルで、和と洋の技術が融合された華やかで高級感あふれるたたずまいが特徴。

 グラスと陶磁器を融合させた商品は従来からあったが、その最大の弱点は接着部分の強度だったという。鏑木商舗ではこの弱点を克服すべく、能美市の九谷焼製造会社「清峰堂」と共同でグラスと陶磁器を接着する新技術を開発。これまでに製作した九谷焼ワイングラスはIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のアワードパーティーにも採用されており、その実力はお墨付きだ。

 「ワイングラスがスーツなら、シャンパングラスはタキシード。それなら初めから最高のものを作ろうと考えた」と話す8代当主の鏑木基由さん。シャンパングラスのステムの絵付けは、九谷焼業界が誇る二人の人間国宝・徳田八十吉さんと吉田美統さんに依頼した。

 価格は15万7,500円~16万8,000円と高価だが国内外から注文があるといい、5月には県が認定する平成21年度「石川ブランド」にも選ばれた。「もともと海外の富裕層向けに開発した商品だが、高級路線にこだわったことで逆に国内でも注目されるようになった」と鏑木さん。独自の九谷焼ブランドを着実に構築している。

 ライフスタイルの変化などから市場の低迷にあえぐ伝統工芸業界だが、鏑木さんは「袋小路を抜けるためには扉をこじ開けるのではなく、壁を飛び越える力と勇気が必要」と、その仕事に向き合う姿勢を語る。

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