戦国時代に生き、天下御免の「傾奇者(かぶきもの)」として知られる前田慶次郎(慶次)を主人公とした舞台「慶次郎物語・序章編『金澤にて傾いて候』」が5月28日、金沢21世紀美術館・シアター21(金沢市広坂1)で関係者ら約150人を招いて上演された。
「慶次郎物語」は、金沢で活躍する映像作家や役者、ダンサーら、地元を愛する若者が集い発足した企画。加賀藩初代藩主・前田利家のおいにあたるとされ、戦国の世を自由に生き抜いた「傾奇者」として知られる前田慶次郎にスポットライトを当て、実は慶次郎が豊臣秀吉のスパイであるという仮説に基づいてストーリーを展開する。
今回公開されたのは約50分の序章編。慶次郎が豊臣秀吉の命を受けて上方から加賀の国に至るまでの道中を、時代劇とストリートダンス、映像のコラボレーションで表現している。年内には本公演を予定しており、今後さらに内容の濃い舞台を練り上げていくという。
この日は「金沢中心商店街まちづくり協議会」の関係者も来場。片町商店街振興組合常務理事の木村倫昭さんは「前田慶次郎を金沢ブランドとして全国に発信していきたい」とあいさつし、若者らが創り上げる「慶次郎物語」にエールを送った。
舞台をプロデュースするイベント企画会社マスターオブリコール(片町)は「ダンス、芝居、映像の融合から生まれる新しい舞台の可能性を感じてもらい、金沢という歴史都市で文化への関心を高めたい」としている。