モーツァルトと仲間たちをテーマに開催された「ラ・フォル・ジュルネ金沢『熱狂の日』音楽祭2009」は5月4日、盛況のうちに幕を閉じた。主催者発表によると、総入場者数は開催期間の7日間で昨年を10%以上上回る92,300人を数え、4月27日以前のプレイベントの来場者数を含めると103,700人にのぼった。
同音楽祭では、7日間で有料・無料を合わせて157公演が開催された。最終日、石川県立音楽堂邦楽ホールでは「能・箏(こと)・モーツァルト」と題したコラボレーションが披露され、同コンサートホールではモーツァルトの絶筆となった「レクイエム」がポーランドのオーケストラとソリスト、ラ・フォル・ジュルネ合唱団によって演奏されるなどして熱狂の日々を締めくくった。
同音楽祭アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンさんは会見で金沢での音楽祭を振り返り、「ラ・フォル・ジュルネのエスプリをプロとアマチュアが共有しており、素晴らしい音楽祭だった。来年以降についても、いろいろなアイデアがわき始めており、さらに発展させていきたい」と話した。同音楽祭アーティスティック・プロデューサーを務めるオーケストラ・アンサンブル金沢の井上道義音楽監督は、同音楽祭の金沢での開催が第2回であったことから、「最初に燃え尽きて2、3回目をダラダラするのは簡単だが、この音楽祭では火をつけたらそれを大事に育てていきたい」と息の長い音楽祭として成長させていく意気込みを見せた。
マルタンさんは、来年以降は東京と金沢で同一のテーマを掲げて音楽祭を開催することを明かした。さらに、2010年にショパンの生誕200年を迎えることから、現段階では、来年の同音楽祭についてショパンにちなんだテーマについて思いを巡らせているとした。