「金澤表参道」の名で親しまれている金沢市の横安江町商店街で4月18日・19日、春祭りイベント「春の表参道市」が開催され、多くの人出でにぎわった。
金澤表参道は、金沢市の中心街である香林坊と金沢駅の間に位置し、今から約300年昔、浄土真宗金沢別院の門前町として商店が軒を並べたのが始まりとされる。現在も門前町らしく仏壇店や法衣店、伝統を感じさせる古書店、古美術店が軒を並べるほか、近年は町家を改装したカフェなども登場し、若者の注目を集めている。郊外の大型店に客足を奪われ、空き店舗も増えているが、各商店の絵看板を金沢美術工芸大学の学生が手がけたり、若手店主らが中心となってさまざまなイベントを企画したりと、商店街の活性化に向けて新たな取り組みが始まっている。
「春の表参道市」は毎年、金沢別院の「花まつり」に合わせて開催される春祭りイベント。今年は「金澤表参道で加賀・能登を満喫」をコンセプトに、能登地区・加賀地区の特産品の販売に焦点を当てた。
能登地区からは「能登まいもん市場in金澤表参道」と銘打ち、牡蠣(かき)や能登牛、門前そば、地酒などを販売する店舗が多数出店し、店主らの威勢のいい掛け声が飛び交った。加賀地区からは毎年ゴールデンウィークに能美市で行われている「九谷茶碗まつり」を先取りするかたちで九谷焼の店舗が出店し、掘り出し物を求めて人だかりができた。
地元商店も屋外飲食スペース「よこっちょ『食道』」を出店。店主らと話しながらビールと軽食を楽しむ地元客の姿が見られるなど、普段は静かな商店街も、この日は多くの人でにぎわった。