金沢市内の観光情報を掲載したカード「金沢コンシェルジュカード」が、観光客やビジネス客、観光業界の関係者の注目を集めている。発行は金沢コンシェルジュカード(金沢市中村町13、TEL 076-280-0224)で、今年2月から取り組みを始めた。
現在、約100種類ある名刺サイズのカードには、兼六園や金沢城、美術館などの歴史・文化施設、物産、工芸、飲食店、イベントなどの情報が記載され、裏面には地図やクーポンなどが付いている。市内24のホテルのロビーと金沢観光情報センター・石川県観光物産館にオリジナルのロータリーラックを設置し、宿泊客や観光客などに無料で提供している。1ラックには100種類×200枚のカードを備える。
観光業界において、カード式で情報を発信するスタイルはヨーロッパ発。国内では関西で同様の広告事業を展開する「スウィングカード」があり、同社と提携している。開発のきっかけについて、プロデューサーの村北さんは「ヨーロッパではポピュラーだが、日本ではまだなじみのないこのカードはデザイン性も高く、ぜひやってみたいと思った。金沢の街の大きさに合う媒体だと思う」と話す。
掲載を希望する施設や飲食店などから契約料を受けビジネス化しており、料金には在庫切れによる増刷の費用も含まれる。「設置を開始した当日からクーポンを利用してもらえ、飲食店を訪れたビジネス客などに使い勝手が良く、宣伝効果があると確信した。金沢の観光産業を活性化、旅の道先案内人の役割として活用してもらえれば」と村北さん。
代表の横山隆さんは「金沢を訪れる人は旅慣れている人が多いので、地元の人が好む『通』な店を知りたいというニーズは多い。外国人観光客のため英語版も制作し、満足できる情報を提供することでリピーターを増やしたい。今後は岐阜や富山、新潟などにも拡大できれば」と展望を語る。