日本銀行金沢支店(金沢市香林坊2)は3月14日・15日、同店開設100周年を記念したイベント「にちぎん博in金沢」を金沢21世紀美術館(広坂1)で開催した。「お金の大切さを身近に感じてほしい」との思いから、幅広い世代に向けた展示や体験コーナーなどを行員が総出で手作りしたという。
会場には、傷んだお金の引き換え基準や外国の通貨の解説から、越前和紙を使った昔の藩札や官札、自衛消防隊の火消しの衣装、同店でチャイム代わりに使われていた拍子木など歴史ある展示品を並べる。そのほか、100年の歩みを年表と写真で振り返るパネルや、金沢美大と共同制作の「紙幣くず」でタンポポをかたどった作品を展示した。
人気を集めたのは、模擬紙幣で作られた「1億円の重さ」を体感するコーナー。来場者は1億円の重みを実感しながら「思ったより重い」「本当にお金なら持って帰りたい」などの感想を口にしていた。子ども向けの体験コーナーも趣向が凝らされ、未来のお札を作るコーナーでは、子どもたちが自分でデザインしたお金をその場でラミネート加工し記念品にした。そのほか、紙幣のジグソーパズルや先端的な偽造防止技術を学べるゲームなども用意し、幅広い世代が関心を寄せた。
当日は開場前から長蛇の列で、入場制限を11時まで行ったほどの盛況ぶり。先着2,000人にはお札の裁断片入りの記念カードと、同店前で育てたアサガオの種が配られ、来場者は2日間で4,200人を超えた。
3月15日で100周年を迎える同店は、1909(明治42)年に日銀の金沢出張所として日本海側で初めて、全国では9番目に開設された。今でも金沢の中心地・香林坊の歴史建造物として市民に広く知られている。