ルクセンブルク大使館と小松空港協議会などが2月26日~3月3日、香林坊大和(金沢市香林坊1、TEL 076-220-1111)で「境界に立つ建築家―ルクセンブルクの建築家22組による彫刻展」を開催した。
同展は2006年にスタートした世界巡回展で、ドイツでの開会後、ルクセンブルク・ベルギーに続いて東京(2月4日~22日)でも開催された。国土面積2,500平方キロメートル、人口48万人(金沢市人口=約45万人)の小国として知られる同国で活躍する建築家の作品を展示し、一般にも建築家の多様性を紹介してルクセンブルク建築界の活気を伝えようとするもの。会場には独創的な作品が並び、来場者は空間を生かした「体感する芸術」を楽しんだ。
「建築と境界」をテーマに、参加する建築家たちが設計事務所の日常の「境界」を越え、さまざまな方法で、思想・理念・概念・ビジョンを紹介。巡回展とあって、輸送・設置の面でもさまざまな国の「境界」を越えられるよう、作品は底面積58×78センチ、高さ198.5センチという規格で制作された。「自然科学と芸術と経済性」「合理的なものと感情的なもの」などそれぞれが持つ境目としての「境界」だけでなく、出会いとしての「境界」の意義も提案しているという。
シュタンメッツ・ド・メイエール都市計画建築事務所の作品は、多くの写真を重ねて人をかたどったユニークな作品で来場者の注目を集めた。タチアナ・ファベック建築事務所の作品はイスをモチーフに、「建築…すべて終わった!腰をかけてゆっくり眺め・黙考せよ・見つめて考えよ。そこにあるのは恐怖?それとも喜び?」とのメッセージが添えられ、見る人の想像力に問いかけている。
2007年度ルクセンブルク建築賞受賞建築作品展も同時開催されたほか、石川県とルクセンブルクの交流に関するパネル展やルクセンブルクワインの展示販売、旅行情報の提供も行われた。現在、小松空港にはカーゴルクス(ルクセンブルク)の貨物便が週3便(水曜・土曜・日曜)運行している。