金沢港のコンテナ船の韓国航路が、2月から1便増の週5便体制に拡充される。石川県には、建設機械や産業機械などの輸出メーカーが多く、同港からの輸出荷量が今後も増える余地があるとの判断から、韓国の船会社が増便に踏み切ったとみられる。
増便を決めたのは、韓国の興亜海運(ソウル市)。初便は2月12日に入港予定で、就航する船舶は「ヒュンガ ジャカルタ」(8,299トン)、20フィートコンテナ換算で653本が積載可能だ。増便の航路は、釜山港を火曜に出発し、敦賀(福井)-金沢-苫小牧(北海道)の順に立ち寄る。金沢港には毎週木曜に寄港し、金沢-釜山間の所要日数は輸入が2日、輸出が4日となる。
今回の増便で、金沢港の国際定期コンテナ航路は、韓国航路=週5便(韓国・中国航路週1便含む)、中国航路=週2便となり、1970(昭和45)年の開港以来、最多の週7便体制となる。
金沢港の輸出入のコンテナ取扱量は、1998年には18万6,000トンだったが、2007年には60万2,000トンと約3倍に増えている。一方で、石川県内メーカーが輸出入で利用する港は、輸入では約5割が金沢港を経由するのに対し、輸出の際には、大阪や神戸、名古屋などの太平洋側の港が約7割を占め、金沢港の利用は約3割にとどまっている。こうした点が、船会社にとっては、輸出の需要増加が見込める港として魅力的に映ったようだ。
釜山港は世界第5位のコンテナ取扱量を誇り、アジアや欧米に向けての航路の多くが寄港する北東アジアのハブ(中継)港。今回、韓国航路が増便されることで、釜山港を経由した金沢港と世界各地との貿易にも弾みがつくものと期待される。