趣都フォーラム2026「この10年の金沢と、これから ~2030年に向けて~」が5月30日、金沢歌劇座(金沢市下本多町)で行われた。
趣都フォーラム2026「この10年の金沢と、これから ~2030年に向けて~」
主催は認定NPO法人趣都金澤。2019年に発表した、金沢らしい街や文化の将来像を描く「世界趣都 金沢2030実現への12のメソッド」の検証と課題抽出を目的に開催。さまざまな分野から6人のパネリストを招いたパネルディスカッションと、会場に集まった約60人がグループに分かれて参加するワークショップを行った。
「12のメソッド」策定に関わった同法人理事の佐無田光さんは「策定後は、コロナ禍や能登半島地震、外国人観光客の増加や都心部再開発計画など、想定外の大きな変化が続いている。振り返りだけでなく新たな課題も整理する必要があると考え企画した」と説明する。
パネルディスカッションに登壇した元金沢市副市長の森源二さんは「街や文化のあり方など、これだけ議論しているのは希少な存在。『趣のある都市空間』などコンセンサスが難しいテーマも多いが、議論を続けてほしい」とした上で、「金沢の大切なものは、伝統と革新を繰り返すことによってできている。これから先も、それを続けることができるのかが問われている」と話す。
建築家のやまだのりこさんは、金沢の古い町家が年々減っていることを知り「おくりいえプロジェクト」を始めた。「当初は古民家の最後を見送る活動だったが、今では次世代に伝えるために修繕して『贈る』活動が増え、全国に広がった。初期の参加者で家を惜しんで泣いていた子どもが、今では大学で建築を学んでいる。子どもの頃に家が大切なものだと感じると、大人になっても家や街並みを大切にしてくれる。メソッドは子どもにも分かりやすいメッセージであるべき」と話す。
加賀建設(金石西1)社長の鶴山雄一さんは「経済の観点だけでは高層ビルを建てて終わり。金沢らしさや住み心地など、もっと市民に開いた場で議論していくことが重要。かつて金沢市が建築家・谷口吉郎にまちづくりをコンサルティングしてもらった『金沢診断』のように、今の時代に合った指針となるべき」と訴える。
ワークショップでは「金沢は中心部と周辺部とでは状況が違い、住人の生活や考え方も異なる」「大学が郊外に移転して街の中心に若者が来なくなり、金沢らしい街の魅力を知らないまま卒業して転出してしまう」などの課題が出された。