アート作品の展示会「ありがとう!スズトウシャドウ印刷展」が現在、明治安田ヴィレッジ金沢(金沢市南町)で開催されている。
印刷所「スズトウシャドウ印刷」(珠洲市上戸町)が能登半島地震などの影響で昨年7月に廃業したことを受け、交流のあったアーティストや工芸作家17人が共同で企画した同展。
1986(昭和61)年創業の同社は、同人作家を中心に「スズさん」の愛称で親しまれてきた。廃業時には紙の在庫などを作家に無償提供した。
会場には、同社が提供した紙を使った絵や立体作品、写真など約50点が並ぶ。沈金師の芝山佳範さんは、紙に漆で野菜や果物を描いた漆絵「果リュウ涅槃図(かりゅうねはんず、リュウ=くさかんむりに流)」を出展。芝山さんは「紙に直接漆で絵を付けることは仕事ではほとんどないので、楽しみながら制作した。紙に漆を重ねて生まれるグラデーションにも注目してほしい」と話す。
画家の倉林雅幸さんは、アクリル絵の具を使った泡で模様を作るバブルペインティングを施した紙を使い、モビールアートを制作。倉林さんは「復興支援で能登を訪れた際に見た海がきれいで、ウミネコやクジラをモチーフにした。能登にまた人が多く集まってくれるよう願いを込めた」と話す。
5月23日は14時から、元同社役員の平野真由美さん、小説家の紅玉いづきさんによるトークショーを開く。5月24日は10時から、紙専門店「紙文房あらき」(青草町)の荒木崇社長による折り紙ワークショップを行う。同社で印刷した同人誌やパンフレットの展示、色見本無料配布のほか、同展出展作家が手がけた「能登復興応援ポストカード」などチャリティーグッズの販売も行う。
学生時代から同社に印刷を依頼していたというイラストレーターのつなさんは「技術力が高く、少部数でも丁寧に印刷してくれる貴重な存在だった。スズトウシャドウ印刷を幅広い人に知ってほしいと思い、多方面の作家に声をかけた。漫画や本もデジタル化が進む中、紙やアナログの良さ、表現の可能性を展示から感じてほしい」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。5月24日まで。