暮らす・働く

金沢市が「まちなか」を考えるシンポジウム 出かけたくなる街の空間とは

基調講演を行う山下裕子さん

基調講演を行う山下裕子さん

 都市再生シンポジウム「今、まちなかの求心力を高めるためには」が3月28日、北國新聞交流ホール(金沢市南町)で行われた。

都市再生シンポジウム「今、まちなかの求心力を高めるためには」

[広告]

 主催は金沢市。当日、会場には100人を超える参加者が集まった。

 基調講演は、「全国まちなか広場研究会」理事の山下裕子さんが、「出かけたくなるまちなか空間に必要な余白とは」と題して行った。

 山下さんによると、全国で「まちなか」の空地を活用した広場空間が増えているという。「広場単体で集客装置にはならない。そこにいたくなる、集まりたくなる工夫が必要。椅子が一つあるだけで居場所になることもある。広場で変化が起きれば、周りに与える効果も大きい」と話す。山下さんが関わった富山市のデパート前広場では、家具を置いたりイベントで貸し出せるようにしたりと、開店時間以外でも人が集まる工夫をした。「積み木を置くだけで、知らない子ども同士で遊び出すこともあった。用がなくてもそこに行こうと思える場所を作ることが大切。広場から見える風景や人の往来など、眺めていたい対象があることも重要」と話す。

 金沢の「まちなか」について山下さんは、車道でも向かい側にいる人が認識できる大きさの道が多く、あいさつを交わせるなどコミュニケーションを生みやすい街と評価。その上で「歩いて巡りたくなるような仕掛けが欲しい。200メートル歩いた先にベンチで休める場所があると、また次の場所へと回遊する行動が生まれる。金沢は目的地までの最短ルートが一つではないのが魅力で、普段の生活でも異なるルートを選び、季節の変化を発見するなど豊かな時間にできる」と話す。

 パネルディスカッションでは日銀跡地についての議論があり、金沢工業大学建築学部教授の宮下智裕さんは「正面が経済活動の活発な国道に面し、裏はせせらぎ通りなど昔の風情が残る地区という極端な二面性が特徴の立地。金沢が経済から文化へと発信の中心を変える象徴的な場所」と説明した。

 登壇した村山卓金沢市長は「日銀移転や金沢21世紀美術館休館は、『まちなか』のにぎわいを考え直す機会。21美の休館期間中は旧日銀の建物を使った展示を行うなど、美術館を開いて街とつなげていく。市内にはあまり使われていない広場も多いので、普段会わない人同士で交流が生まれるようなイベントや仕掛けも考えたい」と話す。

ピックアップ

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース