被災した文化財を救出する「文化財レスキュー」の活動を啓発する漫画の公開が12月25日、「いしかわ歴史資料保全ネットワーク」のホームページで始まった。
漫画を紹介する「いしかわ歴史資料保全ネットワーク」の寺口学さん
2024年1月1日の能登半島地震を機に、県内の大学教員や自治体職員、歴史研究者などが設立した同ネットワークが手がける作品。被災地における文化財保護への理解や関心を高め、地域の歴史資料の喪失を防ごうと石川県内の学生に協力を求めて制作した。
全4話で、被災した寺や蔵から文化財を運び出した実際の事例を基に、同ネットワークがシナリオを作り、昨年9月ごろに着手。作画は、金沢学院大学美術学科の学生が表紙と第1話を、金城大学短期大学部美術学科の学生が第2話から第4話を、それぞれ担当した。
被災地の能登町では1月、紙版も制作。成人式参加者や中学生などへの配布を予定している。同ネットワークのメンバーで同町教育委員会の寺口学さんは「漫画化することで、若者や幅広い層が文化財レスキューに興味を持つようになれば。今後、災害が起きた時に役立ててほしい」と話す。